生しらすは従来足が速いので、漁場の近くや本当に鮮度の高い食材を扱うお寿司屋さんなどでのみ楽しめる食材でした。しかし、茨城県では、独自の技術「船上鮮度保持技術」を開発し、水道水で解凍するだけで家庭で生しらすが食べられるようにしたのです。
この素晴らしい技術を使った生しらすの商品の良さを伝えるための、パッケージデザイン開発、ネーミング開発、キャッチコピー開発が今回のご依頼の内容でした。
開発するにあたり、まず我々は生しらすを実際にとっている漁師さんの話を聞くことにしました。
今回の商品は茨城県の独自開発の技術をベースに、4つのエリアの漁協が合同で商品開発を行うという、チームでの開発になりました。それぞれの漁協の思いもあって、売り方や見せ方の考え方も多種多様。特に販売地域についてはどれくらい広範囲で売っていくのか、東京進出をするのか、全国展開するのか、県内でまずは売るのかなど、それぞれの漁協を回って色々な話をしました。
お話をするのはもちろん漁師さんです。大海原に出て寒さ荒波と戦いながら、鮮度のいいシラスを捕る。その想いをどうやって買ってもらう人にわかってもらうか。
漁師さんの話を元に、訴求したいポイントを明確にして、WordWorksでネーミングを募集したところ、 『しらすの王様』『漁師の自慢』『漁師が食べている本シラス船上活〆の生しらす』など魅力的なネーミングが たくさん上がってきました。
そして、最終的に、『海の輝き』というネーミングに決定しました。
海にいるシラスは本当にきらきらと輝いて、海の輝きと呼ぶにふさわしい魚です。それをそのまま家庭でも食べて欲しいという漁師さんの想いを商品名にこめて、『海の輝き』になりました。
ネーミングは、複数のネーミングから1つに絞り込んでいくことが多いのですが、 特にWordWorksの場合は、100案を超えるネーミングから1つに絞り込んでいくことになります。その時にオススメなのがワークショップを開催することです。
その商品開発に関わる関係者に、自分が気に入ったネーミングを3つずつ持ち寄ってもらい、なぜ、そのネーミングがいいと思ったのか理由と共に発表します。
一通りの説明が終わったあとで、投票をするような手順で、個々が気に入ったネーミングにシールをはります。そして、またその理由を説明します。他の人の話を聞くことで、最初に自分が気に入ったネーミングではなく、他の人が推薦したネーミングの方が魅力的になったりします。
まさに、これがワークショップの狙いです。こういったワークショップを通じて、自分達が考えるよいネーミングとは何かをお互いに理解することができますし、商品の大切にしたいことも共有できます。
WordWorksではこういったワークショップがしやすいようにA4 1枚に1つのネーミングがプリントできる機能がついています。是非ご活用ください。
さあ、ネーミング、パッケージが決まった『海の輝き』ですが2011年3月の地震で倉庫に保管されていた生しらすが流されてしまいました。
宮城、岩手で大きな被害をもたらした東日本大震災でしたが、実は茨城も多大な被害がありました。打ち合わせでお邪魔した漁協の事務所も大きな被害を受けてしまいました。
生しらすは漁れる時期が限定されています。結局、商品として世の中に発売されるまであと1年の時間が必要になりました。
「さあ、晴れて発売!」となったとき、『海の輝き 生しらす』のポスターが必要になりました。
さて、ネーミングとポスターで使うキャッチコピーは何が違うのでしょうか。
一番違うのは、ポスターのキャッチコピーにはインパクトが必要ということです。
ポスターを見る人の多くは、しらすに興味がない人たちです。
だからこそ、振り向いてもらえる力強い言葉が必要になります。
WordWorksではネーミングだけでなく、キャッチコピーを募集することが可能です。
「生しらす 家で食べれます」
ポスターでは、このニュースをどんと真ん中にデザインしました。
パッケージデザイン、ネーミングやキャッチコピーは商品の魅力を伝えるためにそれぞれ欠かせないものです。
それらは、商品のライフサイクルや新規性、競合の存在などによって、表現の仕方が異なります。
ネーミングで伝えたいことは何なのか。インパクトなのか?覚えやすさなのか?商品の特性なのか?
キャッチコピーで伝えたいことは何なのか。それを整理し、ライターに伝えるとよい案がでてきます。
WordWorksは、多くの商品がより輝くようなネーミング開発・キャッチコピー開発のお手伝いをするために開発した募集サイトです。ぜひ、活用して皆様の商品を輝かせてください。